金属3Dプリンターブームが5年前におこりまして、たくさんの企業様や大学様や研究施設などが金属3Dプリンターを導入しました。
もちろん・・今も金属3Dプリンターをご検討している企業様が多くあるのだと思います。
なんでも新しい技術が世の中に出てくると期待値は高まりブームが起こることは当然の事といえます。
これをアメリカのガトナー社ではハイプ・サイクルを用いて、新技術の登場によって生じる過度の興奮や誇張(hype、ハイプ)、そしてそれに続く失望を説明しています。
確かに5年前の金属3Dプリンターブームの後、たくさんの方々からお問い合わせを頂きましたが、出来る事と出来ない事を説明したり、見積価格を見て失望します。
金属3Dプリンターの活用は本当の意味でこれからなのですが・・ブームというのはあっというまに過ぎ去り興味をなくした企業様も多くあります。
期待し、失望し・・しかし・・きっと金属3Dプリンター工法のがいいと思えるものが今から開発されたり生まれたりするんでしょうね!
過剰な期待の中にも夢がある仕事です。
ちなみにガトナー社のハイプサイクルは5段階に分けられているそうです。
今の金属3Dプリンターはまさに・・「幻滅期」過度な期待に応えられず急速に関心が失われた状態だと思います。
- 黎明期(技術の引き金、Technology Trigger) – ハイプ・サイクルの最初の段階は、「技術の引き金」またはブレークスルー(飛躍的前進)から始まる。新製品発表やその他のイベントが報道され、関心が高まる。
- 流行期(過剰期待の頂、Peak of Inflated Expectations) – 次の段階では、世間の注目が大きくなり、過度の興奮と非現実的な期待が生じることが多い。成功事例が出ることもあるが、多くは失敗に終わる。
- 幻滅期(幻滅のくぼ地、Trough of Disillusionment) – 技術は過度な期待に応えられず急速に関心が失われ、「幻滅のくぼ地」に入る。そしてメディアはその話題や技術を取り上げなくなる。
- 回復期(啓蒙の坂、Slope of Enlightenment) – メディアでその技術が取り上げられなくなった一方、いくつかの事業は「啓蒙の坂」を登りながら継続し、その利点と適用方法を理解するようになる。
- 安定期(生産性の台地、Plateau of Productivity) – 広範に宣伝され受け入れられるようになると、技術は「生産性の台地」に到達する。その技術は徐々に安定し、第二世代、第三世代へと進化する。その台地の最終的な標高は、その技術が広範に適用可能かあるいはニッチ市場のみかによって、様々である。
しかし、弊社に来る仕事も変化が現れてきました。
ブーム期は試作品のオーダーに埋め尽くされておりましたが、現在は試作品よりも3次元水管金型に注文が移行しました。
幻滅期から回復期に入った企業様です。
何に使うか色々迷って、たどり着いたのが金型の冷却回路ということなんだと思います。事実・・他の工法では製作できないですし、不可能だった冷却効果を生み出しています。
この金型の需要は一定範囲であがってくるものと思われますが、造形範囲が限られているため使える金型は少ないと考えられます。
しかし現在、金属3Dプリンターの大型化が進んでいますので、さらに使える金型が増えると思います。
安定期にはいるまではまだ時間がかかるかもしれないですが、金属3Dプリンターの発展のために私たちは技術の向上に努めたいと思います。