金属3Dプリンターになんのメリットがあるの?

展示会などでお客様に金属3Dプリンターって何かメリットあるの??って言われる事があります。

今、機械加工で作れているものを金属3Dプリンターで製作する事には価格的なメリットは一切ありません。しかも量産もできません。精度も機械加工より悪いです。

そうなると金属3Dプリンターのメリットって・・なんなのでしょうか?? と疑問をもたれるのは当然の事です。

実はこれは樹脂でもおこっている事なのです。一品を3Dプリンターで製作したら安くなる??というイメージがどこから流れ始めたのかわかりませんが、金型を使用して大量生産したものと比べて安くなるはずがありません。一品だけの生産なら金型を作らず製作できるから安くなるのです。

金属3Dプリンターでも全く同じ感じです。見積りをしてみると・・「えっ そんなに高いのですか??」という感じです。

手軽に・・気軽に製品が出来てしまうイメージが価格も安い・・というイメージを作り上げてしまったのかもしれません。

しかし、樹脂でも金属でも試作開発現場には非常に有効であり、開発サイクルの向上が見込めますし金型を製作するより価格が安く早い。これが3Dプリンターの最大のメリットといえます。

だとしたら、試作開発をもつ現場は金属3Dプリンターを購入すればいい。と思ってしまいますが、設備が高額な上、ランニングコストも非常に高い。そして何よりも全ての形状を金属3Dプリンターで製作できないと言う事なのです。一社で金属3Dプリンターをフルで稼働させる事が困難なのでコストがあわない・・という判断になる事が多く、金属3Dプリンターの普及が中々進んでいないのが現状の姿です。

また、材料も限られています。どんな材料でもいいという訳ではないと思うので、それらの障害からくぐり抜け造形できるものは僅か10%ほどです。

金属3Dプリンターのメリットって非常に枠の狭い領域なんです。

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ビーム式金属3Dプリンターとレーザー式金属3Dプリンターの違い

最近ではお客様の方が金属3Dプリンターについて詳しいかもしれませんが、パウダーベット方式の金属3Dプリンターにはビーム式とレーザー式があります。

どちらがいいかは、どんな事を金属3Dプリンターにやらせたいかによります。

ビーム方式

ビーム方式は主にArcamというスウェーデンの金属3Dプリンターになります。この設備の特徴は最大3500Wという大きな出力です。そして真空高温造形になりますので、歪みが少なく出来ます。そしてとにかく早い!!しかし、金属粉末が仮焼結してしまうので細部や内部の粉が取れない場合があります。チタンの造形が主になりますのでその他の材質は今のところリリースされていません。

レーザー方式

レーザー方式はたくさんのメーカーが採用しています。高温、冷却を繰り返してしまうので歪みが発生しやすいです。しかし、細部の粉が簡単に抜けるので細かい造形品に向いています。最近では4っのレーザーを搭載した大型機がリリースされていますので造形スピードの向上もしています。色々な材質での適用ができます。

簡単に説明をさせて頂きましたが、どのような材質でどのようなものを作りたいかによって変わります。

あの有名なGEでもこのふたつは使い分けています。

ただ・・同じ材質・・例えばTi64でビーム方式とレーザー方式で作ったものは金属特性は違うものと考えた方が良いので注意して下さい。

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金属3Dプリンターメーカー選び

金属3Dプリンターは紙のプリンターと違いメーカーにより様々な違いがあります。

何を基準に金属3Dプリンターを選んだ方が良いかを解説します。

ひとえに金属3Dと言ってもスピードも違えば品質も違います。まずはこの違いをしっかり見極める必要があります。一番わかりやすいのは同じモデルをそれぞれの金属3Dプリンターで造形する事です。各メーカーさんはプリンターを買う前提のベンチマークはやって頂けるはずです。その際必ず造形時間を聞くと良いでしょう。出来上がったベンチマーク品を並べて造形の肌面の品質と寸法精度も測定する事をお勧め致します。

スピードと品質はわかりました。次に何を見るべきか・・・

それはサービス体制です。より実績を持ったメーカーの方が壊れた場合の対応と造形時の相談等にも乗って頂けるので非常に重要です。

価格も重要な要素ですが、それはスピードや品質も含めた考え方をした方が良いと思います。安いけど遅かった。。などの声もよく聞きます。

他にも注意しなければいけないことがあります。金属3Dプリンターは酸素置換をする場合が殆どですが、その置換時間はメーカーによってバラバラです。長ければそれだけ無駄な時間が多いと言えます。

次に、停止する回数。 金属3Dプリンターは停止しないと思っている企業様が多いと思いますが停止します。停止回数が多くて造形が進まない構造や方法もあるので是非注意して頂きたい。

もう1つ重要な項目があります。それはレーザーに関わる事です。が・・・残念ながらここではお話しできません。

よく勉強しなければ金属3Dプリンターの細かい部分はわかりませんので、是非参考にして下さい。

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金属粉末メーカーによってはクラックが入る

同じ金属を違うメーカーがガスアトマイズしても、金属3Dプリンターではうまく造型できない場合があります。

それは出来上がった金属粉末材料が公差のどのレンジに入っているかにも左右されるからです。公差ギリギリの金属粉末材料では巣が出来たり、クラックが入ったりします。

安いから・・・という理由でうかつに金属粉末材料を変えてしまうのはリスクが伴うということです。それほど金属3Dプリンターってシビアな条件が揃っているんですね。

金属粉末材料を変える際はパラメーターも変える必要が出てくるのですが、パラメーターも実は170種類ほどあるようでどのパラメーターをどれだけ動かすべきかは難しいので時間がかかります。パラメーターを変えたら密度や強度の検査も多数取る必要がありますので、多大なコストがかかり安い金属粉末が良かったのか悪かったのか一時的にはわかなくなりそうです。

万が一品質不良が発生した場合、粉が悪かったのか・・パラメーターが悪いのか・・レーザーの出力が落ちたのか・・わからなくなるのは私たちが一番恐れるところですね。

1つでも原因の追求箇所が少ない方が問題は早く解決します。

金属3Dプリンターの購入が相次いでいますが、注意すべき点を整理して各メーカーにアプローチしたほうが良さそうです。

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