金属3Dプリンターで造形できるミニマムサイズは?

金属3Dプリンターで造形できる範囲は250mm角以内になっていますが、ミニマムサイズはどれ位ですか??と質問されます。

レーザーの最小スポット径が0.2mmなのでそれが最小サイズ・・と言いたいところですが形状をはっきり認識するレベルで出来ないので最小サイズは1mm角までならできるとお話をさせて頂いていますが、最終的にワイヤーカットで切り離したとき・・水と一緒に流れて行ってしまう可能性が大です。そうなると見つけ出すのが困難だと思われますので。出来る事なら最低5〜7mm角欲しいところです。 “金属3Dプリンターで造形できるミニマムサイズは?” の続きを読む

金属3Dプリンターで発生するトラブル

金属3Dプリンターでは様々なトラブルが起こり停止します。トラブルが無いと思われている方には非常に申し訳ない話ではありますが、どんなトラブルがあるのかを知っておく事は今後の金属3Dプリンター購入をご検討されている方には重要だと思います。

金属3Dプリンターの機械的停止に関するトラブル

1.造形物の歪みによる停止

 造形物はレーザーにて高温で溶融させる為金属が少なからず膨張します。通常造形ではそんなに大きな膨張はしませんが長時間の造形になると造形物自体が高温になっていたり、また急激に薄肉に変わったりする場合に大きく膨張する場合があります。その際は粉末を敷く工程(リーコーティング)で引っかかりが生じます。停止した場合は機械を一旦停止させ、ひっかかり部をヤスリなどで均してから再スタートさせます。復旧までにかかる時間は約40分(金属3Dプリンターメーカーや機種により異なります。)

2.酸素濃度センサー破損

 造形チャンバー内は窒素やアルゴンといった不活性ガスに置換してから造形をスタートします。その際に酸素の濃度を測定し0.1%以下になっているのを確認してから造形が開始されます。チャンバーからガスが漏れていたりすれば酸素濃度が下がらないのでいつまでたっても金属3Dプリンターは動作しないのですが、センサーの破損もその1つの要因になっています。意外に何度も壊れている電機部品ですので交換部品を用意しておいた方が良いでしょう。

3.チャンバーOリング劣化

 前項でも少し述べたように造形チャンバー内からガスが漏れる場合があります。それはチャンバーのドアなどについているOリング(シールゴム)の劣化による漏れになります。もちろんこれだけの事でも金属3Dプリンターは動作しません。Oリングも予備品として用意したほうが良いと思います。

4.金属粉末漏れによる造形ステージ下降停止

 金属3Dプリンターで使用する金属粉末は非常に細かいものを使用しておりますので、ちょっとした隙間からでも金属の粉末が漏れる事があります。その粉が造形ステージの下に溜まり近接スイッチに到達できない事があります。定期的な機械をバラしての清掃が大事になってきます。また金属粉末の漏れは造形ステージ下のOリングの劣化による場合がありますのでOリングの交換も必要になります。1に清掃、2に清掃。これが金属3Dプリンターの基本ルールです。

今回は2回以上発生したトラブルを中心に紹介させて頂きましたがこれ以外に非常に困るトラブルがあります。

注意!停止しない重大トラブル

1.レーザーの劣化

 レーザーの劣化により出力が下がっていてもプリンターではそのチェック機能をもっていません。よって低出力になっていても造形をし続けてします。明らかに低出力であれば造形品質で気がつく事が出来ますが、少しだけ下がってきている場合は気がつかない場合があります。レーザーの出力チェックをマメにする必要があります。

2.粉末の間違い

 多鋼種を取り扱いだすと入れる粉末を間違えてしまう可能性があります。粉末だけを見て鋼種を判断する事は難しく、また金属3Dプリンターでも金属粉末違いのチェックはありません。造形後に気づくとは思いますが万が一気がつけない場合は異材として出荷してしまう事も想定されます。粉末の管理はWチェックするほど慎重に行うべきです。

このように、色々なトラブルが金属3Dプリンターにはありますので準備や備えを十分にしておく必要があります。何かの参考にして頂ければと思います。メーカーによって違いもありますので実機を使っていらっしゃるユーザー様への訪問をされたほうが良いでしょう。

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金属を溶融するパラメーター

色々なご質問やお問い合わせがきますが、最近ではかわったご質問が多くあります。

その中で一番多くびっくりしているのが、レーザーのパラメーターを教えて下さい。というご質問です。

残念ながらそれにお応えする事はできません。弊社が使用するEOSでは最適なパラメーターを購入しております。他社の金属3Dプリンターで全く同じレーザーを搭載している物もありますのでお応えする事は弊社にとってはコンペジター。ということでお断りさせて頂いております。

どうしてもうまくパラメーターが出来ない場合は購入先に聞く事が一番だと思います。

弊社でも現在新素材のパラメーター開発に着手しておりますが、パラメーターと言うのは時間とお金をかけて作り上げるものですので、弊社内でも重要機密事項となります。

以前からお話しさせて頂いておりますがパラメーター開発には最短で1年の月日を使う事になります。その苦労を簡単に売る事もあげる事も出来ないという事ですのでご理解して頂ければと思います。

色々なコンセプトの金属3Dプリンターが存在します。何がやりたいのか、どこまでやりたいのかなどはしっかり整理して購入する事をお勧め致します。

その際の工場見学等はご協力させて頂きますのでお気軽にお問い合わせ下さい。

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金属3Dプリンターには個体差がある。

前々からわかっていた事ではありますが、金属3Dプリンターには個体差があります。これは3Dプリンターに限った話ではなくマシニングセンタ等の機械でもあるかとは思いますが、どちらかと言えば金属3Dプリンターの方が深刻です。

金属3Dプリンターの大きな構成物の中にはレーザーというものがあります。このレーザーに個体差があると出来映えにも差が生まれてきますし、密度にも影響が出る可能性があります。これらを保管する為にはしっかりとしたレーザー出力管理を行う必要が出てきます。設備の他にレーザーの出力管理ができるハードを揃えておかなければいけません。

先日弊社で使用する「EOS」と同じ機種を持つお客様からお問い合わせがあり、「このような現象ってありますか?」というご質問がありましたが、残念ながら弊社ではありませんでした。

このことから個々の3Dプリンターのみに発生する固有現象があることもわかりました。

弊社内4台の金属3Dプリンターにもやはりそれぞれの特徴があります。同じ造形物でも造形途中に停まる設備もあれば停まらない設備もあります。ボールネジの調整やらモーターの力等のバラツキ影響なのかもしれません。

金属3Dプリンターを扱うオペレーターはこれらの特性をしっかりつかんだ上で造形機械を選定した方が良いと思います。

しかし、新規で購入する場合は困ります。テストではうまくいっていたけど、導入してみたらうまく出来ない・・・ということも可能性としてはあります。

安い機械ではないので、検収条件として何かしら決めておくのも1つの手段かもしれませんね。

やっていけば行くほど奥が深いのが金属3Dプリンターだと実感しました。

レーザー測定キット
レーザー測定キット

粉末積層造形法とは

粉末積層造形法は、粉末にした材料にレーザー(ビーム)やバインダー(接着成分)を用いて1層づつ固めて造形させていく方法です。微細な粉末材料を造形テーブル(ステージ)上に1層分敷きそれぞれの方法で固め造形し、また更にその上に次の層を造形していき、立体を得るという造形方法です。機種にもよりますが、樹脂や金属、石膏などの材料も粉末積層造形法使用しており、造形スピードとコストパフォーマンスに優れた造形手法です。

弊社の場合ですが、金属も樹脂も粉末積層造形法を使用しています。材料により積層厚みはバラバラです。金属ですとマルエージング鋼の積層厚みは0.05mm。インコネル718は0.04mm。アルミニウム、チタン64は0.03mmとなっていますし、樹脂ですとPA2200、PA3200 GAともに0.1mmになります。積層厚みが細かければ細かいほど時間がかかります。

粉末積層造形法に限った話ではないですが、斜めの形状は正確に言えば階段のような積層跡が残ります。緩やかであればあるほど顕著になりますので注意が必要です。

金属の粉末積層造形法で使用する金属粉は「ガスアトマイズ法」で作られる事が殆どです。「ガスアトマイズ法」で作られた金属粉は製造過程において表面張力で球状になります。粉末積層造形法では球状の粉末でなければ流動性が悪くなるため均一に粉末を敷き詰める事が出来なくなります。

また、粉末積層造形法では湿度も嫌いますので、造形環境には配慮が必要になります。

緩やかな斜め形状での階段現象
緩やかな斜め形状での階段現象

 

金属3Dプリンターとは

パウダーベット方式の金属3Dプリンター
パウダーベット方式の金属3Dプリンター

金属3Dプリンターは、粉末積層造形機の事を指し、パウダーベット方式と、レーザメタルデポジション方式がある。パウダーベット方式では「SLM」(セレクティブレーザーメルティング)というレーザーを熱源とした方法と、EBM(ELECTRON BEAM MELTING)ビームを熱源とした2種類が存在している。その他にレーザーメタルディポジション方式という溶射型の金属3Dプリンターの普及が始まっている。 最近ではAM(アディティブマニュファクチャリング)という言い方をする事が多いですが、一般的には金属3Dプリンターという言葉で理解されている事が多い。

パウダーベット方式では、マルエージング鋼、ステンレス、インコネル、チタン、アルミニウム、コバルトクロムモリブデンなどの材質ができ、レーザーメタルディポジション方式では工具鋼や銅なども出来ると言われている。一般的に細かな再現性を求めるならパウダーベット方式。早さと大きさを求めるならばレーザーメタルディポジション方式を採用する。

 

ダイレクトメタルディポジション方式
ダイレクトメタルディポジション方式

金属3Dプリンターがあれば誰でも簡単に何でも作れると思われがちだが、その範囲は狭い。造形ルールなどがあり、それに当てはまらなければ造形不可となる場合がある。また金属3Dプリンターでの量産は出来ないため、少量多品種、または一品一様生産に用いられ、その多くは試作開発品が占める。しかし、3次元水管を配置した金型への応用などにも用いられ、成形サイクルタイムの向上や品質向上の為の新たな工法としても注目を集めている。

金属3Dプリンターのレーザー交換について

先月弊社の金属3Dプリンターの2号機のレーザーが破損しました。応急処置で1号機と2号機のレーザーを入れ替える事で対応しましたが予告通り約4週間で新しいレーザーがが届きました。

入れ替える設備がなかったら1ヶ月間開店休業になるところでした。

さて、新品のレーザーが届いたという事で早速昨日交換して頂きました。これでしばらく・・大丈夫かと思います。

新品のレーザーの保証期間は1年。1年以内に破損した場合は保証範囲内ですが1年を超えたら購入費用として2000万円の費用がかかります。レーザーの消耗は電化製品並みに早いという事がよくわかりました。

先日、とある総会に参加した時に金属3Dプリンターの販売台数が減る傾向にあるというお話を聞きましたが、そりゃこんなにランニングコストがかかるなら考えちゃいますよね。

昨日も書きました松浦機械製作所様から600角の金属3Dプリンターがリリースされますが、1000Wのレーザーが壊れた場合の価格もちゃんとメーカーに聞いた方が良さそうです。

400Wで2000万かかってしまっているので・・それ相応の価格になる事が想定されますので。

レーザーの交換は金属3Dプリンターにとっては当たり前の事になるので、毎日レーザーの出力測定をして前兆を知る必要がありそうですね。弊社がレーザーの測定を始めたのが丁度1年前になるのでデーター不足で前兆を見極める事が出来ませんでした。が・・・今回の事もふまえ前兆がつかめるデーター測定をします。

こういうノウハウも含めて金属3Dプリンターって改めて難しい・・そして積み重ねがなければ技術力も上がらないという大変な加工方法という事を実感します。

レーザー交換

大型金属3Dプリンターついに日本からも誕生

とうとうこの時代が訪れました。日本からも金属3Dプリンターの大型がリリースされてきました!

松浦機械製作所から600×600×500の造形サイズが出た模様です。詳細情報はあまりありませんが、出力は1000Wだそうです。

6月22日から始まる「設計・製造ソリューション展」に展示されるとの事です。

海外メーカーからは先行して大型機がリリースされていましたが、いよいよ国内も・・・・

弊社のお客様ももっと大きなサイズは出来ないのか??とお問い合わせを頂く事も多い為このリリースは非常に嬉しい限りです。

もう少し必要な情報を集め皆様にご紹介できればいいかと思います。

ちなみに・・弊社でも大型金属3Dプリンターの検討に入っております。

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金属3Dプリンター、レーザー交換作業のお詫び

以前から金属3Dプリンターのレーザーは3年以内に壊れるといったお話をして参りましたが、現実自社に訪れるとかなりショックです。交換作業費用も中々の高額ですし、新品のレーザーはなんと2000万円かかるらしい。

毎日レーザーの出力測定はしてきましたが、出力低下の兆候はありませんでした。あまりにも突然で・・・メーカーも交換部品を持っておらず入荷に4〜8週間要するとの事。

わかってはいたものの、意外にいけるかも・・と少々期待もしていただけに反動が大きなってしまいました。

とりあえずの暫定処置で1号機と2号機のレーザーを交換する事で、なんとか復旧できる事になりました。

交換作業は2日かかりますので本日夕方完了予定となっております。

この2日間、納期等でご協力頂いたお客様、ご協力に感謝致します。

明日からは造形が進められますので、大特急で仕掛けていきます。

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それは突然にやってきた・・金属3Dプリンターのリスク「レーザーの寿命」

前々から恐れていた金属3Dプリンターのリスクが突然にやってきました。ヒタヒタと忍び寄ってきた訳ではなく、突然です。

それがレーザーの破損です。

以前からお伝えしてきたようにレーザーは3年以内に壊れます。弊社ではそれを少しでも早く察知する為にレーザーの出力測定を実施してきました。しかし・・それは音も無く突然やってきたのです。

370W(ワット)の出力を出してみたところ・数値は320W・・レンズが曇っているのか??拭いても拭いてもその数値に変化はありませんでした。恐れていた「レーザー寿命」がきたのです。

弊社では3台の金属3Dプリンターがあります。320Wでも問題なくプリントできる鋼種を造形する設備は1号機。1号機と2号機のレーザーを入れ替える事によりレーザー出力低下による停止期間の緩和が出来ることがわかりました。

もし・・1台しか金属3Dプリンターを持っていなかったと想定すると、ドイツからレーザーが届くまでに4週間。交換に2日間。1ヶ月丸々仕事ができない状況でとてつもない損害金額が生まれるところでした。

しかもレーザー交換の見積り金額は・・「2100万円」。。冗談かと思うくらいの高額です。

それでも御社は金属3Dプリンターを購入しますか??と聞きたいくらいの出来事です。今回は複数台の金属3Dプリンター保有でのリスク回避はできましたが、よくよく考えてみるとこれから毎年このリスクが訪れる可能性があるという事。毎年レーザーの破損が続くのかもしれません。

その度に「2100万円」の出費があるかもしれないと思うと暫くは利益どころじゃないのかもしれません。それでも私たちが金属3Dプリンターに着手する理由は「可能性」です。

金属3Dプリンターには多くの知識とノウハウが必要です。それらをいち早く習得し真似できない確実な技術を蓄積する為なのです。

とは言え・・・「レーザーの破損」は手痛い出費です。

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