金属3Dプリンターの造形配置の基礎

金属3Dプリンターの造形範囲はどのメーカーのものでも□250mmが多いのですが、その中に納めることがきれば全く異なる形状が入っていても同時に造形をすることが出来ます。

たとえば・・

造形この写真のように色々な形状のものが入っていても同時に造形できてしまうので入るだけ入れてしまった方がコストが安く済みます。

しかし・・思ってるように入れることが出来ないのが金属3Dプリンターなのです。

その理由は粉を敷きつめるリコーターといわれる部分の摩擦係数の問題です。 “金属3Dプリンターの造形配置の基礎” の続きを読む

試行錯誤で金属3Dプリンター技術の基礎

3Dプリンターのイメージは、3D図面があればあとはスタートボタンを押すだけのイメージが非常に強いですが、実は毎日が試行錯誤の繰り返しです。

毎日違う形状を造形していますので、試行錯誤のノウハウは急激に進化するものではありません。失敗して気づく事の方が多いのです。

金属3Dプリンター(粉末積層造形)は造形されている部分は造形が完了するまで見ることができません。粉の中に造形品が埋れて行くからです。

造形が完了して取り出してみたら・・・失敗・・なんてことも日常的に起こります。

造形品を取り出してみたら写真のようにヒビが入っていたり、崩れていたり・・・ということがあります。

長い時間造形をして、高価な材料をたくさん使ってこの結果は正直ショックです。

まずは、この現象がどうして起きているのかを考えなければなりません。現象を目で確認できていないのであくまでも推測からのスタートです。

金属粉末なのか・・レーザーなのか・・面積なのか・・サポート材なのか・・それとも湿度か

色々な要因を潰しながら、再造形をします。が・・お客様の納期はもう決まっているので急いで対策をする必要があるのです。

これらの失敗と成功を繰り返し、ようやく積み上げることができるノウハウが金属3Dプリンターの基礎と言えます。

基礎ができたということは・・次は進化をしなければなりません。

サポート材は取りやすく、熱は逃がしやすく・・金属粉末の管理方法は・・・レーザーの管理は・・などなど

その進化という工程はまだ弊社でも始まったばかりです。

精度よく・・失敗なく・・早く・・安く造形品を提供できる仕組みを毎日積み上げていく必要があります。

人工関節学会で金属3Dプリンターの物性評価 発表決定

今弊社で取り組んでおります金属3Dプリンターを使用した人工股関節の進捗を学会で発表する事となりました。

今回発表させて頂く内容としては基礎データーの件です。金属3Dプリンターで作成したチタン合金がインプラントとして耐えうる強度をもっているか?というお話しになります。

昨年の補助金事業で金属3Dプリンターで造形した金属の基礎評価をさせて頂き、名古屋工業研究所からの報告書もあがり大変良い結果でしたので是非皆様に知って頂きたく発表の運びとなりました。

今回のテストで実施した内容は

  1. 既存工法金属と金属3Dプリンターで造形したテストピースの強度比較
  2. 造形場所によるテストピースの強度比較
  3. 新品材、再利用、再々利用の粉末によるテストピースの強度比較

などを実施し、強度検査、X線CT検査、電子顕微鏡観察などを実施しました。

詳細は学会で報告させて頂きますが、思っている以上の結果がでて満足しております。

金属3Dプリンターのインプラントの可能性が非常に高くなってきたと感じます。

まだまだ課題は多くあるかとは思いますが、研究を重ね金属3Dプリンターによる医療機器製造の可能性の道筋を付けて行きたいと思います。

今後のテストは更に深い部分に焦点を当て薬事申請に耐えうる商品として自信の持てる結果をお伝えして行こうと思います。

金属3Dプリンター粉末の良否判断 基礎知識

毎回お話ししておりますが、この6月の時期は金属粉末への湿度管理が大変気になります。

また最近では金属粉末を持ち込んでのテストも増えてきておりますので、金属粉末の基礎知識をお話ししたいと思います。

金属3Dプリンター用の粉末はガスアトマイズ法を使った球形の粉末が良いとされております。しかし、この粉末もさらに分球して金属3Dプリンターで使用できるサイズにする必要があります。

今世の中に様々な金属3Dプリンターが出ていますが、全て同じ粉末でいい訳ではありません。設備ごとに金属粉末の供給システムが異なっており、大きすぎると駄目、小さすぎると駄目といった現象があるようです。

ここでは設備ごとの分球サイズや特徴等はお話ししませんが、設備毎の分球サイズを提供しなければならないようで粉末の価格が下がる要素が少ないのが現状です。

さて・・・今日は季節柄湿度についてのお話を盛り込みたいと思っています。

最近、金属粉末を持ち込んでの造形テストが増えていますし、弊社としても色々な金属粉末を試す機会が増えてきています。

その時に大事になるのがまずは金属粉末の形状と大きさです。

左の写真は弊社で使用するEOS用の金属粉末です。ピークの粒径は20〜30μm

かなり細かな方も入っています。これを細かくしすぎてしまうと金属粉末を供給する際に抵抗が大きくなりうまく敷き詰められない等の現象が報告されています。

さて、粒径と形状はクリアしたとしましょう。しかし、この条件だけでは金属造形機に入れたくはありません。

金属粉末に湿度があればうまく造形できない場合がありますので、湿度を測定したいところです。

しかし、現実的には弊社にはそのような設備がなく湿度を計測する事ができません。

そんな時に役に立つのが透明な小さなビニール袋です。ビニール袋に金属粉末をいれて振ってみると、湿度を多く含んだ金属粉末はボソボソ塊になっていき、湿度が無い場合はサラサラのまま1つ1つの粒径はくっつく事がありません。またくっついていなくても周りのビニールに多く粉末が付着してしまう場合もあります。このような場合は湿度を含んでいる可能性がありますのでうまく造形できない可能性があるのです。

金属粉末は金属造形に取って非常に重要なモノである事をおわかり頂けたかと思います。

3Dプリンターは早いのか?

皆様が勘違いしている3Dプリンターの基礎知識。革新的な技術としてマスコミに取りざたされた3Dプリンターの本当の姿は未だ世の中には広まっていません。それはマスコミの発信の中には「夢や希望」ご盛り込まれているのでそれを見た視聴者の方々は勘違いしてしまうのです。

樹脂の3Dプリンターでも金属の3Dプリンターでも同じ事が言えるのですが、3Dプリンターでは大量生産ができません。よってカスタム化された部品では効果が出ても標準化された部品ではやはり今まで通りの金型を使用した生産には勝てないのです。

3Dプリンターの早さは、材料調達から完成品までのトータルで

何事も一部だけを見る事よりも全体から見た方がいいとは思いますが、3Dプリンターはまさにそんな感じです。単体で早いかと言われれば・・そうでもない。しかし、材料調達もないし工具の破損もありません。図面から製品形状納品までのサイクルだけで考えれば早い。そういう見方ができれば非常に便利な設備と言えます。試作現場で活用されているのはそういった理由なのだと思います。データーさえあれば、一時間後には造形スタートが可能なのが3Dプリンターの早さの秘密です。

3Dプリンターでコストダウン

弊社によくあるお問い合わせの中に、コストダウンというキーワードが何回かあります。もちろんコストダウンできる場合もあります。例えば鋳造品のような型を作らなければならない形状で1つだけ欲しいという場合なんかは、金型製造コストから考えれば非常にコストダウンになります。また、多くの部品を組め立てる製品の場合、1つ1つの部品の製作時間+組み立て工数から考えれば、一体化で作る事も大幅なコストダウンになる場合があります。強度も増します。しかし、現状の工法で出来上がる物については大幅にコスト競争では負けが確定する物なんです。

3Dプリンターとは、結局一層一層積み上げる方式なので意外と時間がかかる物なんです。ボタンを「ポチっ」と押したら完成する訳でもなく、3Dプリント後にはサポート除去地獄も待っていますし、皆様が思われているほど簡単な工法ではないということです。

しかし、トータルコストを追ってみるとコストダウンできる場合もいくつかある事もわかっています。図面を調達に渡し、あらゆる企業に見積りを投げ、返ってきた最安値の企業に発注。この工程の中には当然人が関わっています。安い見積りが出て喜ばしい事ですがトータルで追ってみると中々コストがかかっているんです。「時は金なり」と昔から言いますが、時間もお金で換算してみるとこの工程も結構なコストがかかっている事が見て取れます。

TRAFAM世界最速の金属3Dプリンター

先週「TRAFAM」の金属3Dプリンターのセミナーを聞いてきました。今現状の(どれとの比較??)粉末積層造形の造形速度から10倍速いプリンターの開発が進んでいます。まだ問題点はいくつかあるものの、着実にオールジャパンの素晴らしい3Dプリンターが出来上がってきています。

今後の方向性としてはやはり速度になるかと思います。今現在では3Dプリンターの早さは通常の加工と比べると負けている事も多いですが、近い将来加工と肩を並べる日が来るのかもしれません。その時には胸を張って「産業革命」と言える事になるはずです。

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