一長一短の金属3Dプリンターの秘密

展示会でもセミナーでも工場見学にいらしたお客様でも必ずと言って質問されるのは、どこの金属3Dプリンターがいいですか?? というお話です。

弊社はEOSを使用していることをわかっていながらの質問なので、たじろいでしまいますが必ずこう答えるようにしています。「一長一短」です。

実は昨日も工場にいらしたお客様と色々な話をしている中で、同じ話をされました。

某メーカーの金属3Dプリンターはこうでした・・あっちはこうでした・・

様々な情報も頂けたわけですが、やっぱり一長一短でしたね。

結局何がしたいかにより、金属3Dプリンターは変わってくるのだと思います。

お客様のニーズは様々で、細かいものを作りたい企業様もみえれば、大きいものを作りたい企業様もみえますし、再現性重視の企業様もみえれば違う企業様もみえます。

展示会のサンプル品を手にして、結構綺麗にできるね〜って言っていただけるお客様もみえれば、まだまだだね〜とも言われます。

色々なニーズがありますので1つのメーカー金属3Dプリンターでは対応しきれないこともあるのです。

金属3Dプリンターのメーカー毎の秘密まではお客様も知らされていないことがほとんどなので、展示会やセミナー、または工場見学などで情報を集めていらっしゃるのだと思っています。

是非、色々な金属3Dプリンターセミナーや展示会、または工場見学に足を運んで頂き、目で、耳で、そして触って感じて頂ければと思います。

 

金属3Dプリンターへの期待が高度化へ

展示会や講演&セミナーなどで各方面のお客様とお話しする機会が多いのですが、当初の金属3Dプリンターへの関心事項からより量産イメージの関心ごとが多く出てきている事と認識しております。

以前は形が出来ているだけでも拍手喝采を浴びたものでしたが、現在は形だけでなく精度、再現性、強度、そして量産化への対応の質問が多く飛び交うようになりました。

当然の事だとは思います。

そこで「松浦機械製作所」様や「Sodick」様の様な切削加工付きの金属3Dプリンターが出てきているのだと思いますが、問題はそこではない気がしています。

レーザーやビームで金属粉末を溶かして行く方法では残留応力という歪む力が生まれてしまいますので、これをいかに抑え込めるか・・または除去できるかにかかっているのだと思います。

実際、どの金属3Dプリンターを使用しても全く歪みがない造形物は出来上がりません。ここが大きな問題となるのでこれを改善して行く必要があるのだと思います。

しかし、設備だけにそれを求めて行くのは間違いで、造形物を取り出してからの熱処理条件などでの改善も平行して行って行く必要があるのです。

最近では造形前に歪みを予測するソフト等も出ていますので、より歪みにくい造形姿勢や形状提案なども出来て行くと高度化への期待も少しは前に進んで行くのだと思います。

少なくとも、今後金属3Dプリンターを購入し始めてみようと思う方は、金属3Dプリンターのノウハウと、熱処理のノウハウふたつを習得する必要が出てきますので参考にして頂けると良いかと思います。

3Dプリンターを使った金属造形品

弊社では毎日多くの金属造形品を製作しております。展示会などでは実際にお客様に金属造形品を手に取ってご覧頂いておりますが、遠いお客様でまだ見た事ない方も多くみえます。

弊社ではアルミニウム、チタン64、インコネル718、マルエージング鋼での造形をしておりますのでそれぞれのサンプル品の画像を見て頂きたいと思います。

アルミニウム造形品

S__2523138アルミニウムの造形は軽量化や鋳造の代替え等でお使い頂く場合が多くあります。

写真のようにラティス構造(トポロジー設計)を入れこんだ軽量化と剛性維持。または金型レスでの製作が出来るため開発期間の短縮などにも繋がります。

今一番話題の金属と思いますので、是非お気軽にお問い合わせ下さい。

 

インコネル造形品

インコネル造型インコネルは難削材の1つでして加工が非常に難しいと言われております。

工具費も馬鹿にならないですし、時間もかかります。そんな難削材を逆手にとって今まで出来なかった加工や複雑加工等を金属造形を使用する場合が増えております。

写真のようなパイプ形状であったり、ヒートシンクなどアイディアが簡単に形になるようになりました。

インコネルは耐熱鋼なので熱のかかる場所には最適な金属と言えます。

チタン造形品

IMG_1405チタンは軽量化や医療などで幅広くお使いになって頂いております。

通常金属の半分の比重で、生体材料としても注目を集めています。写真のようなインペラだったり、パイプであったり色々な形状で造形させて頂いております。

しかし、チタンは造形も一番難しく出来ないものもありますので、まずはご相談して頂ければ造形の可否などご連絡させて頂きます。

自動車産業、航空機産業、医療などでどうぞ!

マルエージング鋼造形品

図1マルエージング硬は鉄系の材料としてお使いになって頂いております。

金型製作や金属部品で使って頂いております。写真のように水管を入れて金型を製作するケースが多くあります。

金属3Dプリンターの中では一番造形しやすい金属です。また時効処理をすれば硬度もHRC53まで上がりますので色々使える材料だと思います。

価格も一番安いのでよく依頼のある金属となっています。

 

 

 

なかなか難しい金属3Dプリンター技術

金属3Dプリンター品質管理

11月は展示会が3回ありたくさんのお客様とお話しする機会を得られました。その中で非常に興味深いお話がいくつかありましたのでご紹介致します。

この2年でたくさんの金属3Dプリンターを購入した企業様がいらっしゃいます。が・・金属3Dプリンターを使いこなせないとか、問題が多く大変だとお話をして頂けました。

その原因の大半が熱歪み・・というお話でした。

もちろん弊社でも同じ事です。残留応力の強くでる形状や大きさの場合こちら側ではまったくコントロールが利かずサポート材ごとはずれてしまったり、基準プレートごと曲がってしまったりという現象が起きます。

そんな場合に使える技術がハイブリッド構造であったり、サポート材の付け方だったり、またはリコーターの使い方だったりします。

熱が多く入る場合はその逃げ道をしっかり作る必要がありますので、サポート材や造形姿勢には注力しなければなりません。また、体積が20万立方メートルを超える場合は私たちが工夫をしてもどうにもなりませんので全てを金属3Dプリンターで製作するのを諦め、ハイブリッド構造にして時間、コストなども抑えながら造形をする事をお勧め致します。

また金属造形には熱処理技術もしっかりと研究する必要があります。造形は出来ていても基準プレートから切り離すと残留応力が出てしまう場合がありますので、造形後は切り離す前に適切な温度と時間で応力除去をしなければなりません。

それらを考慮し造形を進めていければ少しだけ問題は解決され、出来なかった事が出来るようになります。

最近、弊社でも今までになかった現象が起き始めています。いい現象も悪い現象もまだまだ増え続けると思いますが1つ1つ解決していくことが技術という名前に変わるのだと信じております。

今は多くの金属3Dプリンター造形に携わる方々と協業、情報交換等をして技術の進歩につなげていけるよう、そして日本の需要を広げる活動をしております。