やはり金属3Dプリンターのレンズは肝だった

以前から講演やセミナーなどで皆様にはお話させて頂いておりましたが、金属3Dプリンターのレンズはやはり肝でした。

現象が確認できていなかったので、推測でお話させて頂いておりましたが、弊社内で現象が確認できたのでお話させて頂きます。

いつも通り金属3Dプリンターを使ってダイカスト金型を造形しておりました。 “やはり金属3Dプリンターのレンズは肝だった” の続きを読む

金属3Dプリンターと酸素濃度の密接な関係

弊社ではEOSの金属3Dプリンターを使用していますが、残念なことに他メーカーの造形品の中身の品質についてはあまり知りません。

お客様から聞いたり展示会で見たりということが主流で、比較という点では中々できないのが現状です。

特に細かな点が気になっていたのですが、先日弊社で使用のEOS機で、ある現象が確認されました。

造形品を取り出してみるといつもの造形品質ではない・・・という現象です。

見た感じも触感も明らかにいつもと違う現象です。。

造形品の中身を見てみると・・少々巣のようなものが確認されました。

何が原因かわからず右往左往していたのですが、原因はチャンバー内の酸素濃度を測定するセンサーの異常でした。

金属3Dプリンターの仕組みとしては、酸素濃度がある一定の所にきたら動くようにできていますが、実酸素濃度と、表示されている酸素濃度が違っていた現象です。

まだ酸素濃度が下がりきってはいなくても、値は下がっているので造形がスタートします。

酸素濃度が規程に達していないのに造形しているということです。

しかし、酸素濃度の影響がそんなに違いが出ることを知らなかった私たちは原因がわからず右往左往してしまったということです。

この現象の原因がわかり、症状をみるといかに酸素濃度が大事かということがわかります。

金属3Dプリンターはメーカーによってチャンバーの構造も違いますし、酸素濃度の設定も違うようです。

酸素濃度による違いなど比較したことがないからあまり重要視していないのが本音です。

今回は自社にて酸素濃度の違いによる金属造形品質を確認できたのでまた一つ勉強になりました。

日々、色々な現象があります。これらを理解しておかなければ金属3Dプリンターの停止時間が長くなり勿体無い時間ばかりが過ぎて行きます。

金属3Dプリンターをお持ちのユーザー様や大学や公設試樣などとも情報交換は必要です。

金属3Dプリンター用粉末を変えるとこんな現象が・・・

最近弊社にも色々な企業様が金属3Dプリンター用の粉末の売り込みにこられます。

価格は様々ですが・・問題はパラメーターと品質。

売り込みに来られた企業様から金属粉末を頂きテストをしてみたのですが・・・・残念ながらうまくいかないです。

ほぼ同じ成分ですし、粒径も同じようにしているのですが歪みが出たり、巣が発生したりします。 そのような情報交換を某金属3Dプリンター販売会社の方としていたらアトマイズ時に粉末の中に巣が出来たり、応力があったりということをお伺いしました。金属粉末と言っても簡単な事ではないのだと感じました。

歪みの問題は更に不可解です。

弊社使用の粉末と、Aの粉末。そしてBの粉末の造形テストをしたところ・・Bの粉末は大きく歪み、Aの中間。今まで使用している粉末が一番歪まない事を確認しました。

粉末の価格が安いからといって安易に飛びついてしまうと、歪みが大きくなりお客様にご迷惑をおかけする事になりそうです。歪み分を見越して大きく取り代を設けしまえば全く意味が無くなってしまいます。

トータルのコストをお客様にもしっかり認識して頂けたらと切に願います。

同じ成分、同じ粒径なのに同じパラメーターでは使えないとすると、都度合わせる事も必要となりますし間違いも起きやすくなりそうです。

金属粉末といっても本当に難しい事なのです。

金属3Dプリンターパラメーターの調整

以前から金属3Dプリンターのパラメーター調整は非常に困難であると書かせて頂いております。実際本当に大変な作業でその組み合わせは無限大??と言えるほどです。

必要エネルギーだけを計算し出力に変換するだけではなく、積層厚み、スピード、スポット径など基本的な部分を触るだけでも様々な現象が起きますし良かった物が悪くもなります。

それもこれも全て造形してからでなければ確認できないのがこの技術の難しいところです。

さて・・弊社では以前から少しずつこのパラメーターを触り様々な実験を繰り返していますが、どちらかと言えば散々足る結果が体勢でした。

しかし、条件が整えとこんな現象が起きるという事がわかりました。

造形途中で条件を変えている物ですが、黒い方が今までのパラメータで、白くみえている方が変更したパラメーターです。

黒い方は少しザラザラ感がありますが、白い方はツルツル感がでます。もちろん面粗度も格段に向上しています。

まだ実験段階ではありますが、このパラメーターが成功するのであれば金属3Dプリンターの精度は格段に向上します。

今回はアルミニウムでの実験でしたが、次はマルエージング鋼、インコネル718など広げながらこの現象をチェックしていきたいと思います。

これは磨いたのではありません。造形から出たそのままの状態です。

金属3Dプリンターをやってみて最初に当たる壁

3Dプリンターという響きがなぜか簡単な設備だという認識が広まってしまいますが、金属3Dプリンターでは誰もが通る壁という物があります。

それが「剥がれ。」

s__2555989写真のように造形品の一部が剥がれてしまう現象です。

これは何回やりなおしてもこのような現象が起きてしまいなぜそうなってしまうのか?どうすれば良いのかなど実に悩ませる現象です。

残念ながら弊社でもこれで悩み膨大な金属粉末を使ってしまいました。相談相手も今ほどたくさん無くただただ苦しい時間とお金を使っていた事を思い出します。

この現象については弊社機密項目も含まれてしまいますのでお話しできませんが、金属3Dプリンター造形を始められた企業様が最初に当たる高い壁のような物です。

先日金属3Dプリンター保有企業様とお話をさせて頂きましたが、やはり同じところで悩み苦労されている事を知りました。

サポート材の問題といい、残留応力の問題といいその他の問題も含め設備は違えど悩みは共有できるのだと思います。

しかし結局のところ、知見、経験がどこまであるのかによって解決スピードも違いますし、品質も変わってくるのですから金属3Dプリンターは実に奥深い設備だということがわかります。

どれだけ金属に精通してきても、機械加工ノウハウを持っていてもこの世界ではあまり役に立つ訳ではなく失敗した数だけ経験値が増えるということ意外ないのです。

それを知ってか知らずか・・金属3Dプリンターの販売台数は伸びているらしいのでまた共有できる悩みをたくさんの仲間と解決していきたいです。

この先も金属3Dプリンターの仕事は右肩上がりに増えていくはずですから!

エキゾーストマニホールド

 

スパッタとは

「ヒューム」と間違う場合がありますがよく似た現象として「スパッタ」というものがあります。

金属3Dプリンターでは多く確認でいる現象ではありません。「ヒューム」か「スパッタ」か悩むくらいの微粒子程度です。

「スパッタ」とは溶接中に飛散するや金属粒のことで、一般に溶接では品質の妨げになると言われています。

金属3Dプリンターでも最適なエネルギーで溶融しなければ「スパッタ」現象が起きる場合があります。最適なパラメーターを作成する必要があります。もし適当なパラメーターで造形をしてしまうと「スパッタ」が製品内部に入っていたり、金属3Dプリンター自体が停止してしまう場合があります。(ひっかかりが原因)

弊社で使用する設備では確認できておりませんが、他の金属3Dプリンターでの事象としては確認しています。

金属3Dプリンターにおいて「スパッタ」が発生するようになったら、レーザーやレンズ。パラメーターを確認する必要があります。

パウダーベット方式の金属3Dプリンター
パウダーベット方式の金属3Dプリンター

 

コンタミとは

IMG_1062通常の金属加工では「コンタミ」という言葉を使う事はありませんが、金属3Dプリンターの業界の中では頻繁に出てくる言葉です。

コンタミとは「コンタミネーション」の略語になっていますが、金属3Dプリンターでは「不純物が混ざる」という事を意味しています。金属3Dプリンターで使用する粉末材料は20μmピークの粒径を使用しています。金属3Dプリンターで何種類かの金属を使い造形する場合、一部の粉が別の粉末に混ざってしまう現象の事を「コンタミ」と言っています。

例えば、マルエージング鋼の造形後にチタン64を造形したい場合、マルエージング鋼の中にチタンの成分が混じってしまうという事です。このような「コンタミ」を防ぐ為には徹底的なチャンバー内部の清掃が必要となります。

徹底的というのは、機械をバラして拭き上げる。という事です。弊社でもそうですが、金属の入れ替えがある場合は丸一日かけてチャンバー内部を清掃し「コンタミ」を防がなければなりません。出来れば金属1種類につき金属3Dプリンター1台が望ましく、特にアルミニウムの造形をするプリンターは素材の比重が軽い為に清掃しきれない可能性もありますので、必ず専用機として使用した方が良いです。

「コンタミ」が発生すれば主原料とは違う物質が混ざるという事で本来の強度が出ない事もありますので、金属3Dプリンターにおいては非常に重要です。

清掃の様子は下記動画でご覧下さい。

金属3Dプリンターへの驚きの質問

最近変な現象がおきています。

金属3Dプリンターお使いの企業様から質問が来るようになりました・・・・なぜに????と思ってしまいましたが

悩みは実に切実でした。

金属3Dプリンターを購入して色々なものを造型してみたのでしょうが、問題が解決されないみたいです。

メーカー?代理店に聞いても回答はなし・・だから無理を承知でお電話しましたという感じです。

どうしてこのような事態になってしまうのか・・・それは1つに金属3Dプリンターを教える人がいないからですね。

メーカーや代理店は基礎的な部分は教えて頂けますが、あとは頑張って下さいっていうスタイルが殆どですから初めて使うユーザーとしては非常に困惑します。

マシニングなどの完成された技術なら教える人はたくさんいますが、金属3Dプリンターではそうはいきません。

サポート材の付け方や取り方も教えてはもらえません。

今、日本中でこのような現象が起きています。

しかし、同じ機種ならともかく・・違う機種に関してはお応えできません。

が、私たちの知りうる範囲の事だけはお話させて頂きます。

IMG_1116