金属3Dプリンターサポート材に関する事

金属3Dプリンターにはルールやノウハウが存在していた!

サポート材とは

展示会やテレビ等では金属3Dプリンター造形品の出来上がったものしか見る事ができません。よって、あたかも何でも出来上がってしまうように錯覚してしまいますが、金属3Dプリンターには樹脂と同様サポート材と言われるものを付ける必要があります。

IMG_1045樹脂でこのようなフィギアを作る事が可能でも、金属で同じものを作ろうとすると大変な事になります。それがサポート材の存在になります。写真を見ながら想像して頂きたいのですが、このモデルの耳が宙に浮いている事がわかります。この浮いている部分には支えが必要となります。金属3Dプリンターでもこの宙に浮いてしまっている部分にサポート材を付けるのですが非常に厄介な物になります。

サポート材は同じ金属素材になりますので、後で取る事も考えなくてはなりません。

少しわかりづらい表現なので次のモデルを見て下さい。

例えば傘の柄のようなものを作ろうとした場合・・・

スクリーンショット 2015-05-20 14.40.36下から積み上げて行くので最初はベースプレート(金属プレート)にくっつきながら上に積み上げて行きますので問題なく造形して行きますが、左の造形が始まるときは粉の上に直接レーザーを当ててしまいます。もちろん同じ熱が加わるので金属自体は溶けて固まるのですが、表面張力によって丸くなってしまい次の粉を敷き詰める時に下に押さえつけたり一緒に流れて行ってしまいます。それが造形の崩れとなってしまうのです。

それを防止する為にも下の支え・・つまりサポート材が必要となるのです。

先ほどもお話ししたようにこのサポート材は同じ金属で付着しますので、簡単に取り外せるものではありません。あらゆる工具を駆使して取り外しをしなければならないのです。場合によっては造形時間より長い時間サポート除去しなければならないことがあります。どのようにサポート材を付けるか、または外すかはノウハウになります。

では全てのものにサポート材が付くのかというとそういう訳ではありません。そこには金属3Dプリンター造形ルールというものがあり、そのルールから外れたところにサポート材を付けて行くのです。

その金属3Dプリンタールールの一番最たるものが角度です。基本的には45°を下回る角度にはサポート材を付けなければなりません。初めに樹脂で作ったフィギアの写真を思い出して下さい。

あのフィギアを金属3Dプリンターで造形するとどういう事になるか・・・・

足赤い部分は全てサポート材という事になります。口の中までぎっしりサポート材がついておりますので、正直に言いますと造形したくありません。サポート材を外すだけでかなりの時間を要する事になるからです。

この場合ならまだ時間をかけて頑張れば取る事が出来るでしょうが、中が空洞になっている場合(箱のような物)はどう頑張っても取る事が出来ません。

お客様のニーズが空洞ということであれば・・この造形品は「造形出来ない」という判断になるのです。

サポート材の役目

そんなサポート材には実は重要な役目があります。

  1. 歪みを抑える。
  2. 熱を逃がす

という役目がある以上・・絶対に付けなければなりません。特に熱が加わる金属3Dプリンターでは必須です。

サポート材って本当に厄介なものです。

しかし、サポート材を回避する策もあります。単純な場合ですと・・造形物そのものを45°に振ってしまえばいいのです。そうすれば中の中空にもサポート材は付かなくて済みます・・が・・世の中そんな単純な形状ばかりではないですし、そんな単純な形を金属3Dプリンターで造形するほどナンセンスなものはないかもしれませんし・・・

金属3Dプリンターでは毎日このサポート材との戦いになりますので、買えばすぐに同じ事が出来ない理由の1つでもあります。

まとめ

金属3Dプリンターではサポート材を付ける際(サポート設計)にあらゆる事を考えて設計する必要があります。造形品の形状、熱収縮、歪み、精度など総合的に判断してどれくらいの強さでどの部分に付けるのが良いのかなど、失敗からしか学べないものばかりです。特に金属3Dプリンターでは一品一様生産になりますのでそのノウハウの積み重ねには時間を要します。金属3Dプリンター造形ルールの理解はもちろんの事ですが、金属の知識、加工の知識、製品の知識までも求められるものなのだということが分かりました。

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