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これを読めば絶対分かる!「金属3Dプリンター」の本当の姿

話題ばかりが先行して本来の「金属3Dプリンター」の姿が見えてこない場合が多くあります。プリンターを販売しているメーカー様も良い事は伝えてくれますが中々悪いところまでは伝えてくれません。私たちは「金属3Dプリンター」を扱い始めて3年。良いところも悪いところも理解しておりますので、是非本当の姿を皆様に知って頂ければと思います。

金属粉末素材は97%リサイクル?

IMG_1062当初弊社もそのような お話を聞いた記憶があります。溶融していない部分の金属粉末素材はほとんどリサイクルできるはずでしたが・・まず1つ目に私たちの頭の中にはサポート材という項目はよくわかっていませんでした。実際に金属造形をしてみると思ったよりサポート材は付着します。サポート材も同じ金属粉末素材を使用しますので、まずまずの体積を使います。もちろん外したサポート材はリサイクルは出来ません。それよりも想定外だったのはサポート材の隙間に入り込んでいる金属粉末素材です。造形する体積はCAD上で計算できますし、必要な金属素材が何Kg必要かもわかります。しかし・・月末に棚卸しをしてみると・・全く推定残量と実質残量が異なりました・・。

金属造形は基準プレートの上に張り付いた形で出来上がってきますので、造形完了後はワイヤーカットで切り離しを行わなければなりません。ワイヤーカットでは当然水を使用します。サポート材の隙間にある金属粉末素材は当然その際に水分を含み使える状態では無くなります。それらをよくよく計算してみると月に30~40万円ほどの金属粉末素材が無駄になっている事がわかりました。こういうことはやってみないとわからないものですね。

また、当たり前の事ですが金属粉末素材も金属であるが故に酸化します。酸化の度合いによるとは思いますがひどくなれば全部破棄しなくてはいけない事もあります。これではリサイクルどころではないですね。是非、メーカー様にもこのような大事な事は伝えて頂きたいと思います。

サポート材は簡単に取れる?

IMG_1185これも当初は簡単に考えていました。「ニッパーで取れますよ!」今考えてみればそんなはず無いと思ってしまいますが・・同じ素材で出来たサポート材は簡単に取り外す事はできません。特にチタンを造形した時は造形時間よりもサポート材除去のが長くなってしまうのではないかと思ってしまうくらい苦労をします。弊社でも色々な工具を試してみました。ハンマー、ニッパー、ラジペン、プライヤー、リューター、サンダー、ジェットタガネ、エアーニッパー、タガネ、ベビーサンダー。当然サポート材の付き方によってどの工具をチョイスするかは変わるのですが、金属3Dプリンターの技術よりサポート材除去技術がこの仕事の「核」なのではないかと思ってしまうほどのノウハウが必要だと感じます。

サポート材と言われるものは「3Dプリンター」という工法であるが故に必要な副素材になりますが、「金属3Dプリンター」においては熱を逃がしたり、残留応力からの歪みを抑えたりする重要なものです。しかし、付いてほしくない部分にも付いてしまう煩わしいものでもあります。中空形状の中に付いてしまう場合にはどんな工具を駆使しても除去できません。このような要因により「金属3Dプリンター」で造形できないと判断せざるを得ないものが出てくるのです。

3Dプリンターは停止しない!

3Dプリンターという言葉の印象からすると、どうしても今事務所にあるような「プリンター」から連想してしまいます。通常の印刷プリンターを思い浮かべれば1000枚でも2000枚でも停止する事無く動いていてくれます。しいて言えば紙の補充くらいですかね。しかし、「3Dプリンター」って止まる事があるんです。もちろん「金属3Dプリンター」も何らかの原因により停止します。よく起こる現象としては、造形物が僅かに歪み、その歪みが金属粉末素材を敷き詰める工程(リコーティング)の際に引っかかり停止する。一度停止した箇所はまた停止する可能性が大きく、再スタートをしたからといって安心できる物ではありません。造形物が安定するまで人が見ていなくてはならない場合もあるのです。

その他にも「金属3Dプリンター」造形チャンバー内の酸素濃度の低下が起きた場合は停止します。原因はチャンバー内の「Oリング」の劣化や酸素濃度を測定するセンサーの破損です。このような場合はメーカー様に交換してもらうまでは動きません。運が良ければその日の遅くに・・運が悪ければ3日ほど「金属3Dプリンター」を動かす事ができない。交換部品はあらかじめ用意した方が懸命です。

誰でも使える「金属3Dプリンター」?

eosint_m_280_1「3Dプリンター」なんてボタン押しとけば誰でもできるんでしょ?? って思われがちです。そういう私も当初は簡単に考えてしました。しかし、想像を絶する戦いが待っていました。始めた当初はサポート材をどう付けたら良いかを悩みました。ただ単に付けても造形は出来るのですが、あとで除去しなくてなりません。除去工程を知らずしてサポートを付ける事は出来ません。次に起こってきた問題は歪みです。なんてことのない、ただの四角い形を造形しても歪みで剥がれてしまったり・・停止してしまったり・・原因はとにかく推測で考えなくてはなりません。造形をしなおしても同じ現象が起きる場合はもう混乱しかありませんでした。メーカー様に聞いても明確な答えは返ってきません。新しい技術だからこそ、このようなことがあるのでしょうね。

マシニングセンタでも旋盤でもそれぞれのノウハウというのが存在するように、金属3Dプリンターにもノウハウが必要です。買ったらすぐに誰でも同じ物が出来てしまうのは残念ながら「夢」のようなお話です。しかし、金属3Dプリンターがもっと普及しソフトの開発が進めば標準化できる部分も増えてくると思います。

まとめ

金属3Dプリンターは思っているより難しい機械です。しかし、第3の産業革命が起きる要素はいくつかあります。それらを見つけ活用するのが一番良いとは思いますが、残念ながらまだそこまでたどり着いておりません。「設計を変える!」この言葉をキーワードしてご活用頂ければ3Dプリンターの存在価値が大きくなります。まずは自由な発想で設計できれば試作までは完了致しますので、取りかかりの活用として十分かと思います。金属3Dプリンターも悪いところばかりではありません。良い部分を伸ばしこの場合はこの工法という明確な物が近い将来でき上がってくるはずです。それまで少しずつでも金属造形に付いて知って頂ければ思います。

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