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金属3Dプリンターの弱点

もう流石に金属3Dプリンターが「魔法の箱」だと思っている人は少なくなってきたと思いますし、金属3Dプリンターには最大の弱点があることもわかっていただけているかとは思いますが・・

敢えて・・再度金属3Dプリンターの最大の弱点についてお話をしたいと思います。

日本のものづくりは金型や機械加工によって大量にを安く、早く作る方法に全力を注いできました。だから機械の精度も、それを使う職人さんも、そして出来上がった製品も世界No1ですし、生産技術を磨き世界一の品質を誇る大量生産大国になったのです。 だからこそ物事は大量生産基準で考えられています。

一方で・・金属3Dプリンターは一品一様の生産技術と言える工法であり、大量生産には全くの不向きな設備なんです。金属3Dプリンターの価格が下がり、100台〜1000台並べたと仮定しても今の金型や機械加工にはスピードも品質も到底追いつけないことでしょう。

そんなことから日本では金属3Dプリンターの業界の成長が伸びないのではないかと推測します。

金属3Dプリンターが注目を浴び、コストが下がるのではないかと私たちのようなサービスビューローにお問い合わせをいただくことも多いのですが・・・今現状で、できる工法の部品や金型などを金属3Dプリンターで造形しても残念ながら安く作ることはできません。

では一体なぜ金属3Dプリンターは注目され、欧米では必死に金属3Dプリンター技術に向かい合っているのでしょうか??

一つには「インダストリー4.0」を代表とする製造業のデジタル化と言われています。生産や流通の自動化、バーチャル化を大幅に高めることで、生産コストと流通コストを極小化し、生産性を向上させることを主眼に置いています。金属3Dプリンターではご存知の通り3DCADモデルさえあれば金型も必要なければ工具も必要ありません。デジタル化を進めるには絶好のツールと言えます。

医療分野や航空機分野ではもうすでに金属3Dプリンターを使用したものづくりが始まっています。もちろん自動車分野にも使われてはいますが、やはり大量生産という壁に阻まれているのです。

しかし、裏を返せば航空機や医療分野ではカスタムメイド化や一体化、軽量化といった大量生産ではできないことがたくさんあります。自動車分野に今後どのように金属3Dプリンターが関わってくるのかは読みづらいですが、少なくとも医療や航空機分野では着実に「インダストリー4.0」の枠組みとして金属3Dプリンターは入っていることでしょう。

弱点があれば、長所もあるわけで・・長所を伸ばして行くことが今後のものづくりの在り方になってくるのかもしれませんね。

製造工程を1から見直してみるのか・・・それとも多品種少量生産にシフトするのか・・それは私どもではわかりかねますが、欧米の動きには注力する必要はあると思います。

(最終更新:2018年5月10日)331
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